野生カカオの探索は、ちょっとした探偵の仕事に似てきました。広い森のどこかに、白い豆をつける珍しいカカオの木が残っています。ただ、それを見つけるのは簡単ではありません。
野生カカオ探索事業とは、エクアドル・アマゾンの原生林に自生する野生カカオを探し、キチュア族の住民が森を伐らずに現金収入を得る道をつくるための調査事業です。NPO法人ママノアマゾニアが、独立行政法人環境再生保全機構「地球環境基金」の助成を受け、現地パートナーである先住民キチュア族の農業組合WINAKとともに実施しています。
事業期間は2026年4月から2027年3月まで。これまでのレポート一覧はこちら
手がかり手がかりは、森を歩く住民の記憶
いちばん大事な手がかりは、キチュア族のコミュニティの人たちの話です。「森の奥でカカオの木を見たことがある」という声があると、現地スタッフがその場所を確かめに行きます。スタッフはクラレイカカオの写真を持ち歩いて、住民の方がどの木のことか見分けられるようにしています。


見分ける「野生カカオ」と呼ばれる、別の木
有望な手がかりを追って森を長く歩いたのに、行き着いた木が別の種類だったこともあります。その木も、地元では「野生カカオ」と呼ばれているのです。



見つかった花をつけた木が見つかった
それでも、探し続けた成果が出始めています。最近の探索で有望な野生カカオの木が新たに見つかり、そのうち何本かはもう花をつけていました。1本見つかるたびに、このカカオがどこに育つのかが少しずつ分かってきます。

苔むした幹から、白い小さな花が房になって咲いていました。森の野生カカオの花(2026年9月撮影)
これから森の奥から、実を運び出す
木を見つけても、それは始まりにすぎません。森での収穫は、畑での収穫とはかなり違います。木がコミュニティから遠い場所にあることも多く、熟した実を持ち帰るのは簡単ではありません。いまは、生産者が実を運び出しやすくなるように道具や装備を準備しています。


WINAK(ウィニャック)と地元のキチュア族の家族とともに、森で集められる野生カカオの量が少しずつ増えていくことを願っています。
目的森を伐らずに暮らしを立てる
この小さな冒険の奥には、もっと大事な目的があります。森を伐らなくても地元の家族の暮らしを支えられることを示したいのです。珍しいカカオの木に経済的な価値がつけば、住民がその木とまわりの森を守る理由になります。
自然の中に隠れた小さな宝物を見つけ、その恵みを地元の家族と分け合い、アマゾンの森を生きたまま残す手伝いをする。
私にとって、この事業の特別なところはここにあります。
次の手がかりは、森のどこかに隠れた別のカカオの木へ、私たちを導いてくれるかもしれません。
ウリ・ゼビシュNPO法人ママノアマゾニア 理事
English original
Exploring New Wild Cacao Populations in the Ecuadorian Amazon
An update from our Earth Funds project
Our search for wild Curaray cacao in the Ecuadorian Amazon is turning into a little detective story. Somewhere in these vast forests, rare cacao trees with beautiful white beans are waiting to be discovered. But finding them is not always easy!
Our most important clues come from the local Kichwa communities. People sometimes remember seeing cacao trees deep in the rainforest, and our field technician follows up on these reports. He brings photos of Curaray cacao to help people recognize the trees. Sometimes a promising clue leads to a long walk through the forest, only to discover that the tree belongs to a different species, also commonly known locally as “wild cacao”!
But patience is beginning to pay off. During our recent explorations, we have found additional promising wild cacao trees, and some are already flowering. Each discovery is a small success and helps us better understand where this special cacao grows.
Of course, finding the trees is only the beginning. Harvesting cacao in the rainforest is quite different from harvesting it on a farm. The trees can be far from the communities, and bringing the ripe pods back is not always simple. We are now preparing tools and equipment to make future harvests a little easier.
Together with the Wiñak Association and local Kichwa families, we hope to gradually increase the amount of wild cacao we can collect.
But there is something even more important behind our little cacao adventure. We want to show that the rainforest can provide a livelihood for local families without being cut down. By giving these rare cacao trees an economic value, we hope to encourage communities to protect them and the beautiful forests surrounding them.
For me, this is what makes the project so special: discovering a little treasure of nature, sharing its benefits with local families, and helping to keep the Amazon rainforest alive.
And who knows? Perhaps our next clue will lead us to another wonderful cacao tree hidden somewhere in the forest!
Uli Zebisch
Mamano Amazonia
よくある質問
クラレイカカオとは何ですか?
エクアドル・アマゾンの森に自生する野生カカオで、白い豆をつけるのが特徴です。この事業が探している品種です。
どうやって木を探しているのですか?
住民の「森の奥でカカオの木を見た」という話を手がかりに、現地スタッフがクラレイカカオの写真を見せながら、その場所を確かめに行きます。
「野生カカオ」と呼ばれる木は、すべてカカオですか?
いいえ。地元では、別の種類の木も「野生カカオ」と呼ばれています。手がかりを追って森を歩いても、別の種類の木だったことがあります。
見つかった木は、いまどうなっていますか?
最近の探索で新たに見つかった木のうち、何本かは花をつけていました。生産者が森の奥から実を運び出しやすくなるように、道具や装備を準備しています。
この事業の目的は何ですか?
キチュア族の住民が森を伐らずに現金収入を得る道をつくることです。珍しいカカオの木に経済的な価値がつけば、住民がその木とまわりの森を守る理由になります。
この事業を支えてくださっている方々
この事業は、独立行政法人環境再生保全機構「地球環境基金」の助成を受けて実施しています。
また、エクアドルで森林保全と地域の産業づくりに取り組むLOSALIADOS(ロスアリアドス)から、短期の資金支援をいただきました。この支援のおかげで、現地の訪問を途切れさせずに続けられています。心より感謝申し上げます。
この調査を続けるために
森を歩き、木を探し、記録を残し、道具を届ける。この活動は、みなさまからのご寄付に支えられています。継続的なご支援をお願いいたします。
※当法人は認定NPO法人でないため寄付控除の対象にはなりません。
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