実施計画中の野生クリオロカカオ保全プロジェクトの概要

こんにちは!ママノアマゾニア江沢です。

NGOとしての最初のプロジェクトは以下のようなプロジェクトを検討しています。

★プロジェクト名
希少野生カカオと森林樹木の植樹で原生林保護と森林拡大

★SDGs
1,4,6,8,10,11,12,13,15,16,17に貢献する。

★プロジェクト目的
このプロジェクトの目的は、エクアドルアマゾン地域ナポ県に位置し先住民キチュア族が住むコミュニティの原生林で発見された野生カカオ品種の自然生息地である原生林の保護及び拡大、希少な遺伝資源を保護することです。野生カカオのDNA調査、野生カカオとその他森林樹木の植樹によって、目的を達成します。

★プロジェクト概要
ウィニャック組合は、自己管理型の先住民の小規模農家組織であり、およそ300人の農家が高い生物多様性を持つアグロフォレストリーシステムで様々な製品を生産しています。

これらの森林農園はキチュア語で「チャクラ」と呼ばれ、国連FAOから「世界農業遺産システム(GIAHS)」として認定されています。
ウィニャックのコミュニティの一つであるナポ・ガレラス国立公園のバッファゾーンに位置する「パソウルコ」では、野生の未同定のカカオ品種(Theobroma cacao)が発見されました。

コミュニティが所有する1400ヘクタールの原生林の中には、樹齢数百年にもなる無数の巨大なカカオの木が見つかります。

未同定の品種の生態学的な重要性だけでなく、その香りは日本や世界中のチョコレートメーカーを驚かせています。
繊細なラベンダーのような独特な香りをもち、高級チョコレート市場において重要な賞を受賞する可能性もあります。
貧困地域であるこのコミュニティにおいて、市場価格の10倍にもなるであろう野生カカオを保護し、将来の収入向上にとって重要です。

この野生カカオの生息に適切な環境は原生林もしくは原生林に近い環境です。
キチュアの人々にとって、保護すべき野生カカオを中心に在来種の森林樹木を植樹することで、原生林の保護及び森林の拡大、そして将来的な収入向上を同時に達成することができます。

プロジェクトの流れは以下の通りです。

  1. 野生カカオの木の生息地調査と実の収集
    約1400haの地域のどこにどのくらいどのような野生カカオが生息しているかを調査。苗床のための実の収集も行う。
    野生種カカオと共に生息している森林樹種についての調査を行う。
    樹高が25メートルを超える巨木に登るためのハーネスを準備、安全研修を行う。
    GPSでマッピングを行なう。
  2. 苗木の育苗場の設立、技術教育
    植樹する地域の近くに苗床を2箇所に設立する。
    野生カカオの苗木の育苗と、在来種樹木の苗木の育苗を行う。カカオ3000本、その他3000本を目安とする。
  3. 育苗場の維持管理
    日々のメンテナンスを行い、苗木の生存率、死亡率を調査する。
  4. 先住民農家による原生林の適切な区画への植樹
    原生林の中で樹木が少ない区画にカカオと森林樹の植樹を行う。
    適切な植生が作られると、原生林は自然と拡大を始める。
    (例えば昔ユカを作っていて草や低木が中心となっているが原生林に囲まれている区画に、野生カカオと森林樹木の苗木を植えて育てることで模擬的な原生林環境ができる。するとその後はその樹木を中心に、周囲の原生林と影響しあって、草や低木だった区画に原生林環境が自然と作られていく)
  5. 野生種カカオの遺伝子研究
    DNA研究を行い、遺伝子の特定を行う。

プロジェクトの社会生態学的な影響は以下の通りです。

  • 野生種カカオを中心とした原生林の保護と拡大
  • 気候変動の緩和および原生林の保護と野生カカオ樹の植樹によるCO2固定
  • 周辺の原生林のフローラとファウナの生息地を保護し、生物多様性の損失を回避
  • 野生カカオ豆によるバリューチェーンの創出を通じて小規模農家の生活条件の改善(この特別な品種の価格は通常のカカオの最大10倍に達することができる);貧困の削減
  • 新しいバリューチェーンとその周辺地域で公正かつ安全な労働条件の下での雇用創出

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